気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)日本は?

日本に再び「化石賞」小泉環境相の演説受け 国際NGO

「COP25」での小泉環境大臣の演説を受けて、国際NGOのグループは温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に再び日本を選びました。

「化石賞」は世界各地のおよそ1300の環境NGOでつくるグループが、COPの会期中、温暖化対策に消極的だと判断した国や地域をほぼ毎日選び、皮肉をこめて贈っています。

11日の「化石賞」には日本とブラジルが選ばれました。

日本を選んだ理由について閣僚級会合で小泉大臣が行った演説で、石炭火力発電からの脱却や温室効果ガスの削減目標を引き上げる意思を示さなかったためとしています。

今回のCOPで日本が「化石賞」に選ばれるのは2回目です。

会場にいたアメリカのNGOの男性は「日本に対する期待の高さの表れだと思います。来年は東京オリンピックもあるので、石炭関連産業への支援をやめ国際的なリーダーシップを示してほしいです」と話していました。

小泉大臣は「驚きはない。受賞理由を聞いて私が演説で発信した効果だと思った。的確に国際社会に発信できていると思う」と話していました。

日本に「化石賞」 国際NGO

COP25の会場で開かれた「化石賞」の発表イベント(3日、マドリード)=共同

COP25の会場で開かれた「化石賞」の発表イベント(3日、マドリード)=共同

【マドリード=共同】世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」は3日、地球温暖化対策に後ろ向きな姿勢を示した国に贈る「化石賞」に日本など3カ国を選んだと発表した。日本は、梶山弘志経済産業相が同日の閣議後記者会見で、二酸化炭素(CO2)の排出が特に多く、温暖化を悪化させる石炭火力発電の利用を続ける政府方針を改めて示したのが理由。

スペイン・マドリードでの気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の会場で発表した。同ネットワークは、世界は脱石炭にかじを切りつつあると指摘し、日本の方針は「パリ協定を軽視し、地球を破壊して人々を危険にさらすものだ」と厳しく批判した。

化石賞は会期中にほぼ毎日発表される。3日が最初の発表で日本は不名誉な出だしとなった。

梶山氏は記者会見で「国内も含めて石炭火力発電、化石燃料を使う発電所は選択肢として残しておきたい」などと発言した。

温暖化は加速しており、対策を大幅に強化しなければ異常気象の頻発など深刻な被害が生じるとみられている。石炭火力発電への風当たりは強く、国連は先月の報告書で日本に対し、新設をやめ、既存のものは段階的に廃止するよう促した。

ほかに受賞したのはブラジルとオーストラリアで、大規模な森林火災への対応の悪さを指摘された。

日本経済新聞電子版より

異常気象 豪雨や猛暑の日本が世界で最悪の被害 独の環境NGO

ドイツの環境NGOは、去年1年間に異常気象で世界で最も深刻な被害を受けたのは、記録的な豪雨や猛暑に見舞われた日本だったとする分析を発表し、温暖化対策の強化を呼びかけました。

熱波や干ばつ、洪水などによる世界各国の被害を分析しているドイツの環境NGOは4日、スペインで開かれている国連の会議、COP25で記者会見を行い、去年1年間で異常気象による最も深刻な被害を受けた国は日本だったと発表しました。

死者数や経済的な損失などをもとに行ったということで、西日本を中心に広い範囲で大きな被害が出た西日本豪雨や、「非常に強い」勢力を維持したまま上陸した台風21号、そして埼玉県熊谷市で41.1度と観測史上、国内で最も高い気温を記録するなど猛暑に見舞われたことを理由にあげています。

環境NGOは「同じ年に複数の極めて異例な気象災害に見舞われるのは地球温暖化の影響を抜きには考えにくい」としています。

そのうえで、世界全体では過去20年に異常気象によって50万人近くが亡くなり、経済的な損失は日本円で385兆円を超えるとして、温暖化の被害を抑える対策を強化するよう呼びかけました。

NHK NEWS WEBより