2019.08.27 14:53「AXIS」編集部
地球観測衛星「Aqua」には、「AIRS(Atmospheric infrared sounder)」という大気の温度や湿度、地表面の温度を測定する装置が搭載されているそうだ。
この装置からの最新データをNASAが公開している。問題となるのは、ブラジル・アマゾンで発生中の大規模な森林火災。2019年8月8日から8月22日にかけてのアマゾンの一酸化炭素の大気中の濃度を、上空18,000フィート(5,500m)の高さから測定した。
マップ上での一酸化炭素の濃度は、グリーンが100ppbv、イエローが120ppbv、ダークレッドが160ppbvを示している。この「ppbv(part per billion in volume)」は、1000m3の大気中に1cm3の気体が含まれている状態を指す単位だそうだ。
画像から分かるのは、時間の経過とともに、一酸化炭素の塊がアマゾン北西部で膨らみ、濃度を増しながら拡大して南東方向に移動しているということである。
NASAによると、一酸化炭素は長い距離を移動する汚染物質で、約1か月間は大気中に残留するという。強風で風下に一酸化炭素が運ばれ、大気の質に大きな影響を与える可能性もあるとしている。大気汚染と気候変動の両面で影響があるとされ、地球の裏側の出来事でも、けっして対岸の火事とは言えないだろう。